安い業者は危険?エアコン取付業者の選び方と注意点

エアコン取付業者の選び方にはちょっとしたコツがあります。

「安いから」「早いから」この2つを基準に選ぶと、「追加費用が高額だった」「壁紙にシミができた」など、想定外のトラブルに巻き込まれる可能性があります。

そんな嫌な思いをしないように、相場感や安心して依頼するための予備知識などを踏まえて『エアコン取付業者の選び方』をしっかりお伝えしていこうと思います。

 

エアコン取付業者に依頼をする前に

エアコン取付業者の選びを失敗すると折角の新しくエアコンを買ったにも関わらず台無しにしてしまうことがあります。

エアコン取付業者選びを失敗すると、どのようなトラブルが起こってしまうのでしょうか。2つの失敗体験をご紹介します。

エアコン取付業者選び失敗ケース1

大手の家電量販店のオンラインショップでお買い得になったエアコンを購入して、オンラインショップに全てお任せした数日後、地元のエアコン取付業者が取り付けに来たそうです。

取り付けをした翌日にエアコンの室内機から漏水が起こり、新築なのに床に水たまりが・・・。

エアコン取付業者に連絡をしてもう一度来てもらったそうなのですが、来た日に限って漏水は起こらずエアコンを付け直すことや確認をすることもなく「漏水をしている状態を見なければわからないということでエアコン取付業者はそのまま帰ってしまったそうです。

しかし、その後に大量の漏水がエアコンからあり壁紙に大きなシミまでできてしまい、慌ててエアコン取付業者に連絡をしたそうなのですが、都合が合わず対応が遅れエアコンの欠陥商品かエアコン取付業者のミスなのかも判断ができず、うやむやにされてしまいました。

『エアコン取付業者の過失があるのかどうか』という部分の立証は非常に難しく、メーカー側も立証してもらわないと対応ができない、販売店はあくまで販売しただけでエアコンを作っているのはメーカーだから責任はない、という責任の押し付け合いが起こってしまったケースでした。

本来であれば『誰に過失があるか』ではなく、まずは困っている依頼者側の気持ちに配慮する対応が必要であり、『親切・丁寧』とよく聞きますが、実際にモノを売る時だけ親切丁寧でも困ってしまいますよね。

エアコン取付業者選び失敗ケース2

引っ越しをすることになり、引っ越し業者にエアコンの取り付けと取り外しを一緒にお願いしたそうです。

エアコン取付に関しては外注だったようで、エアコン取付業者が新居に来て「ホースの長さが全然足りないのでホース部品を買ってもらわないと取り付けられない」と言われたそうです。

そして、エアコン取付業者の言われるままにホースを購入したそうなのですが、取り付け工事後に確認すると室外機の裏で余ったホースを巻き取り隠してあったそうです。

エアコン取付業というのは『なんでも屋』のような施工業者も多く、薄利多売のような商売が多く、大手量販店や大手の引越し業社の孫請けのような業者は利益率も少ないのが現状です。

なので、施工中に『~だから取り付けができない』というような強制的に小売をするという悪徳な業者もいるようです。

エアコンの取り付けなど電化製品の取り付けは素人目では全く判断ができない部分なので、「上手く交渉できなかった」という体験談も多くありました。

安いエアコン取付業者でも大丈夫?

条件によっては断られる

電化製品量販店の施工料金は『エアコンの購入前提』というような注意書きが米印で記載されていることもあります。

電化製品の量販店では『取り付け工事費無料』というような売り出し文句も多く見られますが、実際はエアコンの販売価格が高いもののみ対象であり、販売価格の安いエアコンなどは別途取付料金が掛かるお店がほとんどです。

ネット通販などは更に、希望日時で空いている業者に依頼をかけるため、対面販売よりも責任追求がしにくいというデメリットがあります。

また、簡単な取付工事にしか対応していない業者も少なくありません。

施工担当者によって技術力に差がある。

エアコン取付業者が納得して決めることができたとしても、エアコン取付業者内でも技術力に差が出てしまうこともあります。

最近では、デザイナーズマンションやリノベーションマンション、更にはタワーマンションなどでコンクリートの打ちっぱなしになっていたり、アクセントウォール(タイルやレンガの貼り付けをしている壁)なども多くあります。

そんなお洒落な部屋にエアコンと壁との管を化粧テープ(エアコンの水を排出する管)で巻かれていると見栄えが悪くなってしまいます。

その中で、施工している時に『機転を利かすことができる担当者』にお願いしたいものです。

工事費用が安くても、『こんな風にできるなら、もう少し出しても良い』と思えるような提案力があるのは、やはりエアコン取付を得意としていて『売りにできている』実績のある業者がオススメです。

エアコン工事費用の相場

量販店や業者を探しても施工料金にバラつきがあり相場がわかりにくいですが、

新品のエアコンを取付る際の相場は12,000円~15,000円

中古のエアコンを取付る際の相場は8,000円~10,000円

が相場だと言われています。

しかしこれは標準工事という具体性のない相場感であり、エアコン取付業者によっても量販店に関しても標準工事の内容には差があります。

「標準工事」の内容は業者によって異なるので注意

具体性のない『標準工事』から外れると追加料金が発生します。現状多くのエアコン取付業者がいう『標準工事』とは新しく買ったエアコンの取付です。

そのため、買い替えでエアコンを購入した場合、今まで使っていたエアコンを取り外す時点でオプションとして追加料金が発生します。

具体的には取り外し工賃として5000円~10000円が追加料金の相場です。

その他にも室内機・室外機を繋ぐ排水管の見栄えや排水管の劣化を抑えるための化粧カバーは、パーツが細分化されていて部屋に合わせてつなぎ合わせるため、見積もりを請求すると時間がかかります。

ちなみに、コンセントの形状や電圧等の作業工程が必要な場合は『電気工事』というオプションになり、こちらも追加料金が掛かり、『電気工事』を施工する際は電気工事のための有資格者の手配が必要です。

万が一、エアコン取付当日に電気工事が必要だと判明した際、有資格者でなかった場合は再度電気工事士が施工を行わなければなりません。

具体的な追加料金が発生するケースと相場は以下の通りです。

○2階建の1階工事~10000円/3階の1階工事~20000円

○配管の延長1m単位:2000~3500円(電線やホース含む)

○室外機台12000円~20000円/室外機2段置台15000~20000円

○規格外の取外作業~2000円/規格外の取付作業~5000円

○高層階向けエアーカットバルブ取付2500円~3500円

○高所作業オプション5000円~15000円

○隠ぺい配管5000円~10000円

○20A電源の新規開通(電気工事)15000円~23000円

○電気工事によるコンセント交換:無償~2000円

○電圧切替2000円~3500円

安心して依頼する方法

最近では、安心して依頼してもらえるようにと口コミや過去に依頼した人の感想、施工中の写真、料金の目安などを紹介しているエアコン取付業者のホームページが増えています。

サイトの完成度も非常に高く、依頼や質問・問い合わせに対する返答や回答の早さなども数字や五つ星で評価することができるサイトもあります。

さらに、女性スタッフがいるかどうか(一人暮らしの女性に人気のサービスです)、外注作業をしないかなども確認することができます。

口コミされる側の業者も本当に現場の施工を『丁寧に親切』にすればDMなどの宣伝や広告よりも効果が高いため、積極的な活用をしているようです。

逆に、このような口コミなどが見かけられない業者は、「実際はどうなのか」注意深く確認をするべきだと言えます。

料金トラブルを避けるために必ず見積もりを

電化製品の大手量販店では、最近エアコンの販売を『商談』と呼ぶようになってきており、自動車を販売するように納品日程やエアコン取付に関しての説明を行い、販売店が作成した約款のようなものを事細かに説明しています。

その中で、『エアコン取付業者との金銭の授受は販売店の責任外とする』などという文章も読めないほど小さな字で盛り込まれています。

販売店自体もクレームの多さに企業防衛を行なっているのがわかります。

エアコン取付業者を自身で選ぶ際は、エアコン取付の際に掛かる費用に関しての書類を必ず保管して、担当者の名刺なども受け取っておきましょう。

さら追加で注意点を2つ

夏の依頼は要注意

夏本番になると、「去年まで順調に冷えていたエアコンが突然冷えなくなってしまった」「今年は猛暑だから性能のいいエアコンに買い替えよう」という人が一気に増えるので、購入してから数日以内に取付を完了することが難しくなります。

エアコン取付業者の作業スケジュールは一般的に午前8時から午後8時までとなっており、1日1人で5件の作業がほぼ限界だと言われています。

1回の作業時間は2時間ほどを目安としており、移動時間も加味すると請け負える件数に限りがあります。
なにより、 バレンタイン商戦やクリスマスと同じように年間を通してではなく約2ヶ月~3ヶ月の間の繁忙期のため、人員を繁忙期のために抱え続けることは非常に難しいのです。

そして、外注先や2次受けなどを考えると施工内容や施工のクオリティ・技術にバラつきが発生し最終的に信用に関わってきてしまいます。

「エアコンの取付工事を断られた」「何日も待たされた」という悪い口コミは、「丁寧なサービスを提供している優良業者」の可能性があるということを覚えておきましょう。

時間に余裕がある日に依頼しよう

「今日は〇時から予定が入っているから絶対に△時までに終わらせてほしい」

このような日は避けた方が良いでしょう。道路状況や現場の状況によっては予定の終了時刻を超えてしまう可能性もあります。今後のことを考えると「できるだけ早く」を求めるのは危険です。

さいごに

デザインや機能性、価格も満足だったのにエアコンの取付で大失敗…。残念ながら、最後の最後にトラブルが起きてしまうこともあるのがエアコンの取付工事です。

依頼をする際は、どんな業者が担当するのか(量販店の場合)、標準工事の内容、屋内屋外のデザインをできるだけ損なわない仕上がりにできるのかなど、確認することをおすすめします。

このやりとりで、信頼できる業者かどうか、判断がしやすくなりますよ。

「スタッフの活動日誌」のように、日々の作業をブログで紹介しているエアコン取付業者も増えているので、ホームページやブログ、口コミ情報もぜひ参考にしてみてください。